射水市のシンボルである帆船「海王丸」は、今年で建造95年を迎え、日本で現存する最古の建造練習帆船として、多くの人々に親しまれてきました。
しかし、老朽化による腐食や雨漏りが進行し、船体検査を乗り越えなければ、建造から100年の節目を目前に資格を失う恐れがあります。
そんな危機的状況に対し、射水市や専門家が大規模改修へ動き出しました。
当記事では、海王丸の現状や大規模改修に必要な課題などについて深掘りします。
老朽化が進む海王丸の現状
建造から95年を迎えた海王丸では、木部の腐食が進み、その下に張られた鉄板との間にたまった水分により錆が発生。
錆により鉄板が浮き上がり、デッキがところどころ盛り上がり、波打つような変形が見られます。
デッキ鉄板の腐食は内部へも影響を及ぼし、船内では雨漏りが発生しています。
現在は応急処置としてバケツなどで雨水を受け止めて対応しているものの、これはあくまで一時的な対策にすぎません。

大規模改修の必要性と課題
このまま改修せず船体検査に臨めば、船舶資格を失い、建造から100年を迎える前に航行不可能となる可能性があります。
検討委員会によると、航行可能な状態を維持するには11億~15億円の大規模修繕が必要。
モニュメント化(展示用船としての改修)する場合でも、内部改造費などで15億~40億円を要する見込みです。

検討委員会での議論と今後の展望
7月2日の会議では、委員たちは船内を見学し、現状把握を行ったうえで改修の必要性を改めて確認。
富山県 蔵堀祐一副知事は「100周年をめでたく迎えて、もう少し海王丸があるという風景を見たい」と発言し、強い意欲を示しました。
出席委員からは「歴史的・貴重な観光資源として今の形を残したい」との声もあり、改修による経済効果、観光誘致効果、文化的価値などを総合的に検討する姿勢が示されています。
次回の検討委員会は8月中旬に開催予定。
議論を進め、具体的な修繕プランや資金調達案の精査が進む見込みです。

市民や観光客にできること
歴史ある帆船を次世代に残すためには、市民からの支援が不可欠。
クラウドファンディングの実施や寄付プログラムの活用など公的支援に加えた民間資金の導入が望まれます。
修繕後の航海イベント・船内見学など、観光資源としての魅力向上策を通じて、地元経済の活性化にもつなげられます。
また、SNSでは「#海王丸」「#海の貴婦人」といったハッシュタグを通じて、維持・改修の必要性を広く伝えられます。

ネット上での反応と声
ネット上では、多くの人が、
・「小学生の頃に見学した思い出が蘇る」
・「海王丸の航行風景が好きだった。修繕が成功してほしい」
といった声を多数投稿しています。
経済効果に注目する意見もあり、
「修繕後に観光集客を強化すれば、費用対効果も高まるはず」
といった前向きなコメントも見られます。

まとめ
海王丸は射水市にとって単なる観光資源を超えた、「海の貴婦人」という歴史的・文化的象徴です。
しかし、95年の歳月を経て老朽化が進み、船体検査の難関を前に大規模改修が急務となっています。
11億~15億円という巨額の費用に対して、地元行政、検討委員、そして市民・観光客が一体となって支援の方法を模索しています。
8月中旬の次回会議で具体案が明らかになることが期待される中、1人1人の関心と行動が海王丸の未来を左右することでしょう。
当記事は以上となります。
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