2024年3月、富山市総曲輪で発生した飲酒運転による死亡事故から1年3か月。
事故で命を落とした井野真寿美さんの遺族が、より重い「危険運転致死罪」の適用を求めて活動を続けています。
現在も加害者は起訴されておらず、事件に対する社会的関心と法の対応が問われています。
事件の概要と経緯:富山 飲酒運転逆走事故の詳細と加害者の行動
2024年3月21日午前1時すぎ、富山市総曲輪の一方通行道路で逆走してきた車が、横断中の井野真寿美さんをはね、井野さんは病院に搬送されましたが、まもなく死亡が確認されました。
運転していた男性は居酒屋を2軒はしごして飲酒し、代行運転が見つからなかったため自ら車を運転。
その後、富山県警により「過失運転致死」で書類送検されましたが、1年3か月経った今も起訴には至っていません。

遺族の主張と取り組み:危険運転致死罪の適用を求める家族の声と署名活動
亡き母を想い、記者会見で声を上げた中田康介さんは、「過失なんてありえない」と語り、危険運転致死罪の適用を求める意見書と署名を富山地検に提出しました。
中田さんは、担当弁護士や交通鑑定士とともに現場を独自に検証し、「前方が見えない状態で発進した盲目運転」「赤信号を意図的に無視」といった加害者の行動が、明らかに危険運転に該当すると訴えています。
署名活動にも多くの市民が賛同し、遺族の声が社会に広がり始めています。

法的な論点と課題:なぜ危険運転致死罪が適用されないのか?
飲酒運転が関与しているにも関わらず、「過失運転致死」での書類送検にとどまっている本件。
危険運転致死罪の適用には「酩酊状態で正常な運転が困難」などの要件がありますが、中田さん側は複数の証拠と状況証言により、「故意性」「重大な過失」「視界不良を無視した運転」などを強調しています。
このような事件が「過失」として処理される場合、今後同様の事故の抑止力に疑問が残ります。

ネット上での反応と声:世論の動きと共感の広がり
ネット上では、
・「これが過失で済むのか」
・「起訴すらされていないことに驚き」
・「遺族の気持ちに寄り添ってほしい」
など、遺族を支持する声が多く見られます。
署名活動への賛同や、危険運転致死罪の基準見直しを求める意見も少なくありません。
事件は地域社会のみならず、全国的にも注目を集めています。

まとめ:飲酒運転への社会的警鐘と、遺族が訴える司法の在り方
富山市での飲酒運転死亡事故は、単なる交通事故ではなく、命を奪った重大な犯罪です。
遺族の訴えは、法制度の運用、飲酒運転への社会的抑止力、そして人命の重みを再確認させてくれます。
この声が司法に届き、今後の運転者1人1人の意識変革につながることを願わずにはいられません。
当記事は以上となります。

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