2025年7月20日、富山県が管理する「富岩運河環水公園」の野外劇場で、旧統一教会による礼拝イベントが開催予定となっています。
この使用許可をめぐり、被害者救済を行ってきた全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下、弁護団)は7月16日、新田八朗知事に対して「使用許可の取り消し」を求める申し入れを行いました。
当記事では、この問題の背景と論点、ネット上の反応などについて深掘りします。
問題の経緯と背景とは?
旧統一教会は、霊感商法や高額献金などの問題で社会的批判を浴び、2025年3月には東京地裁より解散命令を受けた宗教法人です。
その後、教団側は即時抗告し、現在も法的な争いが継続中です。
そうした中で富山県は、同教団が7月20日に行う礼拝イベントの会場として、県が管理する「富岩運河環水公園」の野外劇場の使用を許可。
この決定が明らかになると、弁護団が強く反発する事態に発展しました。
引用::TBS NEWS DIG
弁護団の主張と懸念
弁護団の山口広弁護士は、旧統一教会の公園利用について「驚きと同時にがっかりした」と述べ、過去の県の姿勢と矛盾していると批判しました。
また、宗教的儀式に一般市民が巻き込まれることで、違法な勧誘や献金の被害が再発する可能性を強く警戒しています。
さらに弁護団は、県有施設を宗教団体に貸与すること自体が、憲法で定められた政教分離の原則に抵触すると主張。
「知事の公的責任に反する行為」として、使用許可の撤回を求めました。
新田知事の説明と憲法的観点
新田知事は、地方自治法に基づき「正当な理由がない限り、公の施設を住民に利用させることを拒んではならない」と説明。
また、「不当な差別的取り扱いをしてはならない」との規定や、憲法における「集会の自由」の保障も理由に挙げました。
つまり、法的には旧統一教会が法人格を持ち、明確な違法行為が認定されていない限り、施設の利用を拒否するのは困難だという立場を示しています。
ネット上の反応
ネット上では、この問題を巡って、様々な意見が飛び交っています。
・「法律的には正しくても、県民感情として納得できない」
・「憲法の原則を守った対応なのかもしれないが、旧統一教会に公的支援を与えるように見える」
・「知事が判断を変えても誰も責めない。むしろ安心する人が多いと思う」
など、許可に対する懸念と批判が多く見られます。
一方で、法的手続きの正当性を支持する声も少数ながら存在しています。

まとめ:宗教と行政、どこまで許されるのか?
今回の旧統一教会による公園利用問題は、単なる施設貸与を超えた「宗教と行政の関係性」を問う重大なケースです。
県の説明は法的に一定の根拠を有していますが、それが県民の安全や信頼を守る行政の本質と合致しているのかは、今後の大きな議論の的となるでしょう。
知事の判断が「筋を通した英断」となるのか、それとも「市民感情を無視した誤算」となるのか。
使用日が近づく中で、引き続き注視する必要があります。
当記事は以上となります。

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