2025年上半期、第172回直木賞を受賞した話題作「藍を継ぐ海」。
科学の眼差しと人間の心の機微を見事に融合させた短篇集です。
著者は、これまでも科学と文学をつなぐ作品を数多く発表してきた伊与原新さん。
著書は、科学によって日常に隠れた真実と希望を掘り起こし、私たちの心を静かに整えてくれます。
書籍の概要
「藍を継ぐ海」は新潮社より刊行された短篇集で、全五篇から成り立っています。
それぞれが異なる地域と人物を舞台に、科学的なテーマを軸に展開されます。
読後には、忘れかけていた感情や自然への畏敬、未来への希望が蘇る構成となっています。
引用:株式会社新潮社
各短篇の魅力とテーマ
ウミガメの孵化に挑む少女の成長:徳島
中学生の女の子がウミガメの卵を育てる姿から見える、命の尊さと科学の手助け。
クレーム対応が導く空き家の謎:長崎
役所の公務員がたどり着く謎めいた空き家。過去と未来が交差する科学ミステリー。
隕石と父への嘘:北海道
身重の女性が、老いた父の願いのために「隕石を拾った場所」を偽る心理と宇宙への問い。
伝説の土を求める旅:山口
萩焼に関わる伝説の土を探す元カメラマンの奮闘。美と科学の融合。
ニホンオオカミと再生の物語:奈良
山奥で出会う神秘の生き物。自然と科学の狭間で見つける「生きる意味」。

著者・伊与原新さんのプロフィールと作風
伊与原新さんは1972年大阪生まれ。
地球惑星科学を専門とし、東京大学大学院博士課程修了後、作家として活躍。
2010年「お台場アイランドベイビー」でデビューし、「月まで三キロ」「コンタミ 科学汚染」などで注目を集めました。
彼の作品は、科学的知識を基盤としながらも、登場人物の心情に深く迫る人間ドラマを描き出す点が特徴。
まさに理系的感性と文系的感動が共存する作風です。

ネット上での反応とレビュー
ネット上では、直木賞受賞発表直後から、
・「科学と心の融合が素晴らしい」
・「一気読みした」
・「泣けた」
など感動の声が多数寄せられてます。
書評サイトやブックレビューでも高評価が続き、書店では売り切れも。
今後さらに注目が集まるであろう1冊です。

まとめ
科学というレンズを通して、人間の心の奥深くに光を当てる「藍を継ぐ海」。
短篇それぞれが持つ独立した魅力と、全体を通した希望のメッセージが、現代を生きる私たちに静かな力を与えてくれます。
直木賞受賞の話題作として、手に取ってみてはいかがでしょうか。
コメント