ストーカーやドメスティック・バイオレンス(DV)は、被害者の心身に深刻な影響を与える深刻な社会問題です。
近年ではSNSやスマートフォンの普及により、加害の手口も多様化・巧妙化しています。
富山県においても、こうした被害は「誰にでも起こりうる身近な問題」として、高い水準で発生し続けています。
当記事では、最新の統計データとともに、富山県におけるストーカー・DVの実態と課題、そして私達に出来ることなどについて深掘りします。
富山県警が認知したストーカー・DV件数の推移
2024年、富山県警に通報があったストーカー行為の件数は138件でした。
これは前の年より21件減少したものの、2013年以降、常に100件を超える「高止まり」の状況が続いています。
さらに、被害者の身に危険が及ぶと判断され「禁止命令」が出された事案は23件にのぼり、これは過去5年間で最多となっています。
一方、DVに関する通報件数は517件で、前年より13件増加し過去最多を記録しました。
こちらも深刻な状況が続いており、家庭内での暴力が社会問題として浮き彫りになっています。

ストーカー・DVが高止まりする背景
多くのストーカー・DV被害は「通報に至らないまま潜在化」していると言われています。
加害者が恋人や配偶者であることが多く、「関係性」や「周囲の目」を気にして泣き寝入りしてしまうケースも少なくありません。
現代ではラインやインスタグラムなどのSNSを通じたデジタル・ストーキングや、スマホの位置情報を悪用するケースも増加。
テクノロジーの進化が新たな加害の形を生み出しているのも、高止まりの一因と考えられます。

県警や自治体の対応状況
富山県警は、危険性が高いと判断した案件について、迅速に「禁止命令」を発出するよう体制を強化しています。
2024年には23件にのぼり、迅速な対応と被害者保護の強化が見られます。
県内にはDV被害者のための一時保護施設や女性相談センターが設置されており、24時間対応のホットラインも整備されています。
ただし、支援人員や周知不足など、今後の課題も残されています。

身近な人を守るために知っておきたいサインと対処法
被害を防ぐには、周囲の人の「気づき」が重要です。
下記のような兆候が見られたら、すぐに相談や通報を促しましょう。
・執拗な連絡や尾行、無断での訪問
・交際相手や配偶者による束縛・暴言
・家庭内での不自然なケガや精神的変調
さらに、被害者自身が「自分を責める」傾向にあるため、否定せず寄り添う姿勢が何よりも大切です。
富山県警や支援団体への相談を勧めましょう。

ネット上での反応と声
ネット上では、今回の統計に関して下記のような声が多く見られました。
・「数字が減っても実態は変わってない気がする」
・「相談しても何も変わらなかったという人もいる」
・「禁止命令が出ても逆上されるのでは…」
一方で、警察の対応強化に対し、
・「迅速な禁止命令は良い動き」
・「もっとこういうデータを開示すべき」
という前向きな意見もあり、市民の関心の高さと警戒感が感じられます。

まとめ
富山県におけるストーカー・DVの件数は、減少傾向が見られる一方で依然として高止まりの状況にあります。
重要なのは、数字の増減だけでなく、その裏にある被害者の声や実態に目を向けることです。
私達1人1人が、問題の存在を「自分ごと」として捉え、行動につなげることで、少しずつでも社会は変わっていきます。
当記事は以上となります。
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