南砺市井波地区は「木彫刻のまち」として知られていますが、近年、空き家を“商店街へと変える”画期的なまちづくり構想が進行中です。
NPO法人イナミライデザインが中心となり、旧井波町役場を含む中心部を「公園」に見立て、起業希望者を支援する「ミライ商店街」計画が本格化。
当記事では、構想の全体像やイベントの成果、地域への影響などについて深掘りします。
井波のまちづくり構想とは?
イナミライデザインは、旧井波町役場(井波市民センター)と周辺を“まちの公園”として再整備し、半径約200mのエリアを「新しいまちの広場」と位置づけています。
緑地を軸に、人々が自然に集まり交流できる場づくりを目指す構想です。
理事長・小西正明氏は「緑地を中心に年輪のように広がるまちをイメージし、人が混ざり合う交流を生み出したい」と語っており、人と地域が交わる共生の場として、井波らしい世界観の創出を目指しています。
引用:北國新聞
空き家を活用した起業支援とは
イナミライデザインは年内に数軒の空き家を取得し、改修後に起業希望者へ貸し出すことを計画中です。
購入や改修費用を自己負担するハードルを下げ、賃料も抑えることで、挑戦しやすい環境を整えます。
加えて、出店希望者が固まり次第、改修プランを事前調整し、スムーズな起業スタートを支援します。
空き家を所有する地域住民にとっても、「まちづくりに生かしてもらえる」という安心感から、託しやすい仕組みとなっています。

「開店、ミライ商店街」イベントの様子
2025年5月24日、山下地区で第1回「開店、ミライ商店街」マルシェが開催されました。
空き家や空き地を活用し、14店舗がベーグル、蒸しパン、古本、野菜、コーヒーなどを販売。
絵本の読み聞かせやピクニック、ヒアリングコーナーなど、多彩な催しで地元住民と起業希望者の交流が生まれました。
出店予定の原本要さん(32)は、「店を開くことを知ってもらういい機会になった」とコメント。
また理事長の小西氏も「第2弾も実施したい」と今後の継続を示唆しています。
アキヤラボの支援と井波の変化
2022年に設立された「アキヤラボ」は、井波に点在する約50軒の空き家を活用し、若者の移住やパン店・コーヒー店などの開業を後押ししてきました。
これまでに多数の事業が誕生し、地域に新たな活力をもたらしています。
このアキヤラボの成功事例が、イナミライデザインの「ミライ商店街」構想にも良い影響を与えており、井波は起業や地域活性のモデルケースとして注目されています。
ネット上での反応と声
ネット上では、こうした取り組みに対して次のような声が聞かれます。
・「若者が気軽に挑戦できる環境になって嬉しい」
・「緑と店舗が混ざり合うこの空間、まるで都市の公園みたい」
・「移住者と地域住民が自然に交わる場ができてほしい」
こうした反応は、地域全体のローカルブランド強化や商圏活性化にもつながる兆しと言えるでしょう。

まとめ
地元の空き家を「負」の資産から「起業支援」「交流創出」の場へと転換する井波の取り組みは、地方創生・街創りの好例です。
緑を起点とした“年輪型”の広がりを目指す構想は、人と地域が混ざり合いながら成長する共生社会のモデルでもあります。
今後、さらなる空き家取得や第2弾イベントの実施、起業者の増加が見込まれ、井波の「ミライ商店街」はますます注目のプロジェクトとなるでしょう。
当記事は以上となります。
コメント